家の中の森

初代この民家は どうやら 曲り家だったらしい というのは 既出の通りです。

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この写真は 北から南を見ています。
この延長上に 曲り家を形成していたもようです。
この幅のまま 素直に部屋割りをすると 柱や梁の存在はシンプルになりますが、南面を広く取った間取りにしたので、曲がった柱のところに しきり壁を作ります。

その結果 出来上がる部屋には 新築では考えられない柱が出現します。
この柱 ご承知の通り古材ですから 曲がったり 過去の削り跡があったりします。

部屋や廊下の中に 曲がった柱が存在し まるで 森の中にいるようです。

照明

大工さんが手がける仕事の 一歩手前を計画していかないと 次にかかれません。

これは 岩熊さんのリードで進められます。

来週末には 電気配線の確定をしなければならないので、その検討を進めています。

どこに どういう明かりが必要で、どこに コンセントをつくるか・・
と いうことを検討するのですが、私には コンセントはいいとして、照明のイメージが湧きにくい。

ファジーなことが 苦手なんですよ。わたしは。
しかし 夫婦とはうまくしたもので、vivakenは結構得意。

私の希望は ともかく 明るくね!。
ぼんやり 薄暗いと頭が働かないからやめとくれ。

vivakenはいいました。
おまえの部屋は いくらでも 好きなだけ明るくしておけ。俺は何も言わん。
しかし 家は 照明で雰囲気が全然変わるのだから 明るいところと 暗いところをつくる。
トイレに100Wをつけるやつは 世の中にそうはいない(今の住いは 私がトイレに100Wをつけている)

へい・へい お願いね。といいながら、出てきた提案にケチをつける 私でした。

屋根の様子

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古材の不足分を 新の材料に着色を加えて屋根の下地を作る準備です。

こうしてみていると、民家再生の手間たるや 新築に及ばない事が身をもって分かってきます。
イコール 価格に反映するのは避けがたいことで、民家再生 美しい日本 といくら掛け声をかけても、対価に換算すると 新築と同じというわけに行かない といわざるを得ません。

私たちは そういう意味で 恵まれました。

vivakenどんの家作り 年譜に書き記してきた、出会いがあり 再びこの民家が生き生きとした姿を見せてくれる事になったわけです。

週末には 屋根をのせることが出来るかもしれません。

沓石

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沓石が入りました。

明るい色目の石で よかったと思います。
石の種類は ”御影石”。表面をブラストしてあります。
今は コンクリートですが 手前側には 大谷石を敷く予定ですので、明るい玄関が出来ると思います。

重量 80Kg。
9寸のケヤキの柱を支える 縁の下の力持ち ではなく 【土間の力持ち】です。

小屋組み

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屋根を支える 小屋組みの準備が進んでいます。
束の上に梁が組まれ 棟木が上がるのも 今週いっぱいのことと思えます。

新材の工事であれば 3日で終わるという工程が、約2ヶ月かかりました。

私たちの家作りは、いついつまでに この家に引越しをしなければならない という条件がないに等しいので、焦る気持ちもなく、ともかく事故のないようにお願いします。
これだけです。

あの 真夏の作業から開放され 穏やかな気候の中での家作りとなります。

お願いしている私たちも、ヤレヤレという気分です。


ミツバチマーヤ

ハチが一番凶暴な時期を迎えたようです。
林の中で スズメバチに刺されて 命を落とした方のニュースを聞きました。

2004年の秋には 山裾にスズメバチの巣がありました。
こわいよ〜 あぶないよ〜 と言われても 「気をつけよう」ぐらいのもので 敵対視する気持ちになれませんでした。

ハチが怖いといったところで、何もしないのに襲ってこないでしょう。
呑気に構えていました。

どうも これは ミツバチマーヤ や クマのぷーさん あたりの影響があって、人を襲うというイメージがナカナカ身につきません。仲良く出来そうな気がするのです。

そろそろ 改めなくてはと思っています。

vivakenは、再生中の建物の高いところで なにやかや確認していました。
数匹のハチが 頭の周りを旋回し始めました。ここで 一匹でも叩き落そうものなら、伝令が走り あわやの状況になったかもしれませんが、そこは vivaken!!!

じ〜っと ハチが過ぎ行くまで微動だにしないで固まっていたそうです。
とても長い時間に感じられたようですが、何事もなく 飛び去っていきました。

めでたし・・です。

ほんのり秋色

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屋根をのせる準備が 着々とすすんでいます。
日が落ちるのが早くなったし、暑さ寒さも彼岸まで と 昔の人は言いました。
本当に 秋色めいてきて 棟梁の服も 真夏とは違い 少し厚手のものになりました。

おっと〜 叱られる。
服じゃなくて 「手元を見てよ」って言われそうです。

古民家

どんな家が建つのだろう・・
道行く人の中には、関心をもって 目に留めてくださる方もあって、私たちが現場にいると 「こんにちは・・ 見せてもらいますね。」と 尋ねてくれる方がいます。

日曜日には、「孫を床屋さんに連れてきたので、待ってる間みせてもらいます。」と近所の方と思われるかたがみえました。

「ウチも 自分で大工さんを頼んで 普請した。たまたま 倒したケヤキが3本手に入ったので、大工さんに相談したら 使うというので それを使った。」

と 懐かしそうに 楽しそうに 話をしていました。
そうこうしているうち もう一台車が止まり、たいした挨拶もなく、先に来ていた方と顔見知りのようで、なんじゃかんじゃ 話していました。

そのうち 古材の話になり あとから来た方は、我が家の材を見て
「たいした材じゃね〜な。柾目が通ってない」といいました。

それを聞いた 先に来ていた方は 私がいるので あわてたように
「そりゃ〜おめぇ・ソンなんは 大金持ちのやるこっちゃ。これだけの材は なかなか手に入んないぜ。」

わたしは 心の中で
「そんな心配しなくて大丈夫ですよ。私は 贅を凝らしたものを希望しているわけじゃなくて、大変大切な古材たちだと思っていますので」とつぶやきました。

少し離れたところで、再生された民家があり わけあって売り出され 当初1億円の値がついていました。
そことの比較になってしまったようでした。

DSC04501-02.jpg森の中にあったままの姿で 柱になっているのを、とても関心をもって 見ていました。

曲がり家

出し桁を受ける 出し梁 が一部欠損しているのょ。。
と がっかりしていた私でした。

ケヤキの古木さんから、
・・・・・・・・・・引用・・・・・・・・・
屋根を突き上げて養蚕のための明かりと空調を確保した跡かもしれません。古民家に刻まれた跡には、先人たちの生活様式の変化を見ることができます。そういうことを想像するのもとても楽しいものです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

とメッセージを頂いて 納得したりしていました。

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実は もう一つ 梁がないところに続く ”隅木” これもありません。
切妻屋根ですから 隅木があるかないかは 問題にならないのですが、折角作ったものを、誰が何の理由でこんなふうにしたのかしら と 残念な気持ちでした。

さてさてさて。。今日は びっくりご報告です。
岩熊さんと 現場打ち合わせをしました。
その時に どうおもいますか? と尋ねました。

暫く 全体の様子と照らし合わせながら 考えて
「曲がり家 だったんじゃないですか・・」「一回目の移築で その部分は 再生しなかったのでしょう。」

確かに 2階の床面は 40センチの落差があります。その低い部分が出し梁部分がなく、隅木もないのです。
曲がり家 として 家がつながっていたと想像するに 充分な証拠に思えます。

グッド グッド!!岩熊さん。曲がり家だったのね。

納得。   
とうなずく 私です。

思っても見ない結論に とても楽しい気持ちになりました。
梁が短い、隅木がない の 泣き言は、この家の歴史が明らかになった事で、ますます 親近感の湧く家となってきました。

秋霖

今週は 雨がつづきました。
睦沢情報では、母屋・母屋束の刻んだものは運び込まれているものの、作業が進みません。

今日は やっと雨から開放されました。

日曜日のこと。
ミセス東隣が、「キュウリがね・・チョット目を離すと おばけきゅうり になってしまって。いいところだけ持ってきたから 食べてね。」と ナス・ピーマンと一緒にもって来てくれたので、チョット立ち話。

「お宅の大工さんは、本当にキッチリしてるのよ。朝は 8:00前には来ているし、お昼も1:00といえば 仕事が始まっているわよ。」


当たり前といえばそれまでですが、私たちのように週末しか現地にいけないものにとっては、ご近所の方からそういわれると 安堵します。
恐らく 私たちの不安を見越して こうして日々のことを語ってくれるのでしょう。
ありがたいことです。

よその大工さん

DSC04483-02.jpg こわいな〜 と思いながら 足を時々すくめながらも 2階に上がり、こうなって・・ああなって・・ここが壁で と再確認する私です。

ふと 入り口に目をやると 軽自動車が入ってきていて 二人の男性が声をかけながら 向かってきました。
「ちょっと見せてください。」
「どうぞ どうぞ ごゆっくり♪」

二人は 大工さんでした。
やはり 新潟の民家移築を手がける大工さんで、
「睦沢のことは耳にしていた。古材の運び込みの日 道の駅に10Tトラックが止まっているのを見て、ここの材だと思っていた。」
早くから 気にかけていただいていた事を うかがい知りました。

棟梁もそうですが、この大工さんも 決して材の上に腰掛けません。
角材はしっかりしていて 何人座ろうがびくともするものではありませんが
大工さんとして それをしない。
なんか わかりますね〜。
そして いいですね。自分の仕事に対する誇りの片鱗を見せてもらったように思えます。


民家ってなんぞや。。移築なんて どういうこっちゃ!!
昨年の5月までそんな事しか考えられなかった私が 今や 興味をもってくれる人に出会うと、ただそれだけで嬉しくなってしまいます。

お寄りいただきまして ありがとうございました。


色あわせ 見上げの景色

DSC04487-02.jpg   

このように 前回施されている塗装が 今回の移築では表面化します。
これはほっておくわけには行きません。



それと同時に、サス組みをやめて小屋組みをするので、母屋・母屋束に新材が使われます。
吹き抜けがあるので この屋根下(天井といいましょうか)を見上げることになります。
この景色を考えたとき、色を”塗る””塗らない”のコンセプトは、見上げの景色の表情をどのように出させるかに変わってきました。

vivakenは 「そのうち なじんでくるから 新材は新材でこのままでいいのだ。」という考えでしたが、だんだん建物らしくなり、吹き抜けを見上げて完成をイメージできるようになってきたこと事も手伝って、
岩熊さんからの 「景色・表情を優先した 塗装をしましょう。」という提案に、
「ガッテン承知の助」と答えを出しました。

「よかった〜」と 笑顔の私です。 

色あわせ

寄棟から切妻屋根に変更しましたので、和組みをして屋根をのせます。
サス材を多用するとしても 新材にも助けてもらわねばなりません。
当然 すすけた古色と新規の材が入り混じります。

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vivakenは なるべくなら塗装はせずに 木そのものの姿で。。という思いがありました。

岩熊さんは 了解の意向は示していましたが、契約の最終詰めで
「古色の調整は必ず出るので、塗装費用は計上させて欲しい。」こう話を進めてきました。

私は なんせ 総額を見ていましたから 「いらないというなら その分未計上にして かかった分だけ 別途支払い対称にしたろどうですか。」
などといっていました。

岩熊さんは、「それは 決していい方法ではない。」と 実行するに当たっての不自由さを匂わせました。
結果 新規材料を除いての 古色調整という名目で塗装費用を計上しました。

今 岩熊さんが言っていたことがどういうことかよく分かりました。

引き上げてきた古材は、レストランとして再生されていた事から、やや乱暴な取り扱いの部分があります。当然 内装の化粧には気を遣っていて、塗装された部分も多く、それを塗りなおすといった調整は各所で必要な事がわかりました。

実は 構造がスタートした最初にこの塗装のことを 思い知らされました。

心の中で、岩熊さんの提案に従ってよかった。と自分が言ったことに冷や汗を流している 私です。

束石 改め 沓石

用語の修正を致します。

柱の下に置かれる石は 束石(ツカイシ)ではなく、沓石(クツイシ)でした。
8日のブログは 疑問を感じながら 束石(ツカイシ)と書きましたが、岩熊さんにおききしましたら、沓石(クツイシ)と教えていただきましたので、修正します。

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棟梁をはじめとする大工さんたちは、屋根の材を刻んでいます。
屋根は 切妻屋根にしたので、既存の寄棟に棟を追加しなければならない と理解しています。

堅いサスが 加工されていました。
加工には 苦労が多い事と思いますが、この材の命をつなげるのは 大工さんあってこそ。・・

もう一頑張りお願いします。



束石(つかいし)の上の曲がった柱

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束石 沓石を必要とする一本の柱が 土間にあります。

vivakenの”川の流れのように”「石は重い」の中で触れています。

この柱は 大変な暴れん坊で、組み立てのときには 手を焼き、大工さん初め 見上げては「曲がっている・・」
こういった代物です。

棟梁から 「出来るだけのことはやってみますが、真っ直ぐにはなりません。」と話がありました。
もともと私たちは 真っ直ぐ、直角 いずれもこだわっていないので、「了解です」と二つ返事をしています。

一つ心配は
8寸の柱に対して どれくらいの大きさの束石か確認していませんが、今 ちょうどよい所に束石を置いて柱を乗せても、この暴れん坊の柱は 自分のある姿に戻ろう戻ろうとしてずれてくるかもしれない。

束石が大きければ なんも心配要らないことですが、どんな風になるか 楽しみでもあります。
束石(つかいし)と書きましたが 正しくは 沓石(クツイシ)でした。
訂正します。

岩熊さん 感謝。

建築現場らしく

屋根を作るための足場が組まれ、簡易階段も出来ました。

DSC04468-02.jpg
構造材の様子は 見られなくなりましたが、建築現場らしくなりました。
構造材を組み始めた頃、関係者はそれぞれの思いで見ていますが、道行く人は
「あれ〜 火事で焼けちゃったんだゎ」・・・・

第一印象は 火事で燃えちゃった。これのようでした。
(何を隠そう 遠くから現場を見たとき わたしも そう思いました。)

黒くすすけた梁や桁 と それより明るい色のさし鴨居は 上のほうが燃えて 下がかろうじて残ったという印象が残ったとしても 不思議なことはちっともない光景でした。

ここまで来ると 建築中というのが分かるようになりましたし、守門さんの 古民家再生の看板もかかりましたから、どなたが見ても 建築現場と明白になりました。

DSC04434-02.jpg

家の前の県道は カーブの頂点に当たります。時々 我が家の方に目を向けてスローダウンするドライバーがいますが 後続車にお気をつけください。
それと この県道は 白バイが見張っている場合があります。シートベルトは締めましょう。携帯電話を使用する時は、車を止めましょう。

どうぞ ご安全に。


サスの利用

サスが梁として 再利用されました

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よく見ると 移築前にサスは縄で編まれていた事が分かります。

棟梁は このサスがとても堅い事を嘆いています。
もともと堅い部材だったのでしょうが 時と共にますますその堅さを増しているのだと言っていました。

チエンソーの目立てをきちんとしていれば そんな事はないはずだ。
目立てに関わった父を思い出しながら、内心 そうつぶやくのですが、嫌われたくないので、口に出すのをやめました。

ウチのチエンソー貸してあげようかな。歯は新しいから 大丈夫よ。

出し桁

あ〜 桁が切られている・・(グス)

前回の移築で 桁を切ったようです。
本来であれば 写真手前に向かって 桁が ずら〜っと並ぶべきところですが、何か都合があったのでしょう、切ってあります。

DSC04454A-02.jpg

移築も2回目となると こんな事もあるもんです。
「出し桁など 不要」と全てが切り落とされなかっただけ、ミッケモンといった受け止め方です。
気をつけて 家の軒先を見ていますが めったに 出し桁にしてある建物には出会う事が出来ません。
梁と桁について 用語の間違いを ご指摘いただきましたので 修正します。

・・・・・・・・・・・・・・・
あ〜 桁が切られている・・(グス)
・・・・・・・・・・・・・・・

これは 桁が切られているではなく ”梁”が切られている。
に修正します。

写真の中のコメント 「出桁→」は 正しく表現しますと「出桁の座となる梁」です。

ケヤキの古木さん ありがとうございました。

2階の通り

西から 東に向かう 2階の通りです。東西 9間の建物です。
今日は 屋根を作るための足場があるので 写真撮影も それほど 怖い思いはしませんでした。

屋根を作るための材の刻みが始まっています。


DSC04456-02.jpg

この家の過去の歴史は 2階の床が 全て平らではなく 3つの部分に分かれています。
要するに 段差が2箇所あります。

私は この段差も一つの景色と思っていたので、2段の踏み台を作ったりして活かしたいと考えましたが、生活の合理性と 梁の補強によって出た突起をかわす という二つの理由から 却下されました。

3つのレベルがある昔の床面は一部残しますが、段差一箇所 構造になりました。 

断面図・矩形図

基礎を打っているときは、「はは〜んここがお風呂で・・」などと 1階の平面図をあたまにおいて 判ったように見ていましたが、いよいよ建物らしく 立体になってくると、3D図をイメージするわけですが、断面図は10枚ぐらい欲しいし、矩形図も10枚ぐらい欲しい。
そんな気持ちです。

DSC04435-02.jpg

現地に立って 図面と照らし合わせると、「あ〜この線はこれを表しているのか」と分かります。
ところが 家で 調査図を元にCGや自分で撮ってきた写真を見ながらイメージしようとするのですが、チェックしたいポイントが外れていたりする事が多く、頭が固まります。

ついつい 写真を撮るときは ダイナミックな様子を捉えようとしてしまいます。
それも必要ですが それだけじゃぁイカンのですよね。

どうも ここの現場にいくと 浮付いているようです。(深く 反省)

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tiara
里山の暮らしはいかに・・。
vivakenのカーチャンとか オッカーとか 呼ばれる日が、来るのだろうか。

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