木部磨きに必要だった道具達

「仕事は 道具にやらせましょう。人は道具を使いこなしましょう。」

と コンセプトは掲げるものの、道具をそろえるというのも計画的にやらないと 検討が足りず後悔したりします。
されど 思いつきで始まったようなものの柱・梁磨きに必要なものを 超特急でそろえました。

まず 防塵めがね・防塵マスク・耳せん。
めがね・耳せんは近所のD2にあるものをで買いました。
使い捨て防塵マスクは 価格と機能から 住友3Mの 8812−DS1を選びました。
防塵頭巾というのもあってこれも必要かと思いましたが ジャケットのフードを考えると 視界が妨げられるように思えて、ヤメにしました。

目薬・綿棒・うがい用イソジン これらも なくてはならないものでした。

メインとなる ディスクグラインダー 2台。
ともに 日立工機製で 一定回転と可変則可能なものを各1台。
仕上げ用サンダー 1台。

消耗品となる木工用ディスク。
日立工機の純正テーパー付き木工用ディスク。#60・・40枚、#100・・30枚
その他 ホームセンターで目に付いたものを #180 #240などをチョコチョコ購入。
結果としては 純正品がサンダーのワークが残りづらく いい結果が出ました。

同じく消耗品の紙やすり。
グラインダーでは作業しきれないところをフォローするために 金属用布ペーパー。
仕上げ用 #100 #180 #240

足場となる 脚立。
90センチ程のもの・・2台  170センチ程のもの・・2台
足場板は 現場にあったものを借用。

その他 養生シート 養生テープ などなど

何はともあれ 道具が増えていくのは楽しいと同時に、道具が仕事をしてくれるのはありがたいことです。

ケヤキ磨きを振り返って

ケヤキの梁や柱は 私たちが手を加えなくとも それなりに美しいものでした。
まず ボリュームのある材ですから あえて磨きを入れなくとも存在感は充分にありました。

しかし 私たちはだからこそ この材がもっている姿を 私たちの手で引き出してみよう。
これが 昨日 ”責務としてのケヤキ磨き”というタイトルに結びつきました。

フツーのサラリーマンが 建坪70坪強の住宅を それも一般的には古材を使った再生住宅は新築の2割増しと評価される中 ここまでやれたのは 岩熊さんや棟梁が居てくれたからこそ それも 身近にいてくれたことを大変幸運だったと思っています。

建ててもらえれば あと自分達でやれる事は自分達でやるしかない。これが現状です。

ゴール直前まで来たどんぐり庵に転機が訪れたのは 
「沢村さんがウチの現場に来る事が出来なくなった」
この出来事でした。
当初 ケヤキの柱や鴨居は塗装が施されたまま組み上げられ ところどころ剥げ落ち始めていました。そのウレタンの塗装を全て剥がしてくれたのは 沢村さんでした。

私は 剥がし作業を見ていませんが 棟梁から「大変な作業だったよ」と聞かされていました。
そんな経緯があったし 沢村さんは「柱は柱なりに フッと手を触れた時に安らぎを感じるようなワックスを使いたい。」こういっていたので 彼のイメージで仕上げてもらおう ここの柱や鴨居は沢村ワールドで行こう と 任せることにしていました。

彼が来る事が出来なくなり、さてどうするか
私たちは 相談するでもなく 検討するでもなく もう一磨きして本来の木地がでるところまで削り取り 下地を仕上げ 蜜蝋ワックスを含ませよう こう流れていきました。

流れが出来ると それはこうこう大変だからやめておこう などという提案は二人のどちらからも出るわけがなく 存在だけで充分満足していたケヤキ達に手を足し 今はもう探してもそうそう見つからないといわれる材と会話するチャンスを得たわけです。

粉塵だらけになりながら、ひょんな事で出会ったこの材をいとおしむ事は 私たちの責務といって過言ではないと
作業を重ねながら度々思ったものでした。

責務としてのケヤキ磨き

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8本のケヤキの通柱と 指鴨居。マツとクリと思われる桁と梁の一本づつ。
週末磨きに徹し とうとう表面の塗装を剥ぎ取り 仕上げの下地までの準備を整えました。
木粉は30リッターを悠に超えました。

フルフェイスの防塵ヘルメットを用意したわけではなく 3Mの防塵マスクだけが防備品でした。
防護めがねは すぐ曇り はじめの粗とぎのときは着用しましたが 細かい作業が始まると煩わしく とうとうはずしてしまいました。

自宅に戻り お風呂に入ると「あ〜ありがたい」と思う汚れに汚れた作業でした。

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最後 紙やすりで仕上げながら ”蜜蝋ワックス”をかけていきます。
なるべく ケヤキの木地の色を損ないたくないのですが、木地仕上げの完成度が低く どうしてもワックスが強くしみこみます。

階段の側板は スギの#240仕上げ。木目が非常によく浮き立っています。

ケヤキは 家具を見ても赤味色を出して仕上げている場合が多いので、なんでも完璧というより、先人達が ケヤキの色として出してきたものに近づいて ケヤキらしくていいと考えてもいます。

ADSL12M

どんぐり庵のブロードバンド環境は ADSL12Mタイプです。

2004年ここを購入したとき 私は安易に考えたものでした。
「なになに 政府もインターネットディバイドについて 声高らかに叫んでいるから、2008年までには 何とかなるだろう」と思っていました。

光回線が都心に整備され 千葉都民と呼ばれる我が家の手に届くまで あっという間の期間だったからです。

ところが アレから3年 ちっとも進化されません。

何が何でも光回線が必要か?という話ではありません。

○○郡というのは そういう取り扱いのようです。車で走れば 15分の茂原市は整備されていると聞きます。
こういう事態に遭遇し始めると 「オイ これが田舎っちゅうもんか」。。。

美しい田園風景 目の前は川が流れ その向こうに四季の変化を見せる田んぼがあり 裏山では季節の生き物が語りかけ、日々汗を流す労働が一日の充足感を与えてくれ・・・

と ま〜こういうわけですが、都会で得られないものを手にするわけですが、インフラの遅れと等価交換できるモンじゃぁありません。

NTTは大容量ブロードバンドの実証実験を東京・大阪の都市部で来年3月から提供するといっていますが、その前にとは言いませんが せめて平行して どんぐり庵にも光回線を使えるよう設備の拡充を切に望むものです。

そういえば 先月入院された 前首相はどうされているのでしょう??

キャットウォークの手すり

忙しさのあまり 写真を取るのを忘れました。

ベランダに出るために キャットウオークがあります。
ここには 腰の高さに一本の手すりがあるだけで土間の吹き抜けにしつらえてあります。
足元は 渡り板があるだけでカバーがありません。

棟梁に何度か 足元のカバーをつけないと 安全上問題だと話したのですが 一階からの見上げの景色を損なうという理由で中々着手されないままになっていました。
先週の金曜日一組のご夫婦が家を見学に見えました。
応対をしてくれた棟梁がキャットウオークの説明をし 「どうぞ歩いてみてください」といったところ 「こんな怖ろしいところは歩けません。」と断られ、そこではじめて 私たちが 「10人中6〜7人はここを歩けませんよ。足元に板を入れてください。」と くどくいっていたのを、理解してくれました。

では どういうものを入れるか。。。

棟梁は そこまで分かってくれても 棟梁の美の中で 板を張ることで 下からの見上げの景色が損なわれる事にまだまだこだわりがあることを理解しました。

ここは折衷案で行こうじゃないの と 考えました。
足元30センチのところに ヒノキの細い太鼓状の棒を入れましたが、さて これで充分なのかどうか もう少し他の人の意見を聞かないと分かりません。

棟梁は 私の顔を見て「怖くないですか?大丈夫ですか?」と聞くのですが
「私はもともと怖くないので わかりません。」と答えるしかなく みんなで 「俺も怖くないからな〜」と言っています。


塗装の引き受け手

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裏口の様子です。

一代目塗装やさん 沢村さんが とある理由からどんぐり庵に来る事が出来なくなって、その後を引き継いでくれる人が中々見つかりませんでした。
最後は 棟梁が「私がやりますよ」とまで言ってくれました。

やっと 引き受けてくれる職人さんが見つかりました。
沢村さんは本当に丁寧に仕事をしてくれていて、特に ケヤキの柱磨きで周辺の塗装済みの板を傷つけ タッチペンをするときなど 彼の仕事振りを思い出し、感謝する気持ちです。

それだけに 私の中では「沢村さんと同じようにやってもらいたい」この気持ちが非常に強くあります。しかし それを強調しすぎて 誰にも任せられないとなったら このことのほうが大変で、大きなジレンマとなっています。

沢村さんがどのように処理して木目をうまく浮き出させていたかを盗み見ている私は、時間と道具さえあればうまくやりこなす自信はありますが、いかんせん そのどちらも整いません。

人は「そのうち 毎日が日曜日となれば、自分の居住区を好きなだけ気の済むようにすればいい」と言いますが、私は どんぐり庵にこうあってほしいという望みを持っているのであって、自分の部屋さえこうなっていればいいというふうには考えていません。

うるさく言い過ぎると こういう言葉が返ってくるのですね。

ともかく どんぐり庵の一部はプライベートスペースとなっても、この建物を一つのイメージで考えています。
人がやった仕事の後を引き継ぐのは やりにくいものです。
引き受けてくれた 塗装やさんに感謝します。

いただき物の土

どんぐり庵の粘土質を見かねて 設備屋さんが 花壇の土に使えそうな土を持ってきてくれていました。

「この土じゃぁ 何をやるたって 大変だろう」
こう思ってくれたに違いありません。
恐らく 犬走りをつくる作業が大変で 同情してくれたのでしょう。
ありがとうございました。

農家が機械化し その機械の支払い、リース料に追われる話はよく聞きますが、農業はもとより 土木これも本当に機械頼りです。
掘ったり、埋めたり 私たちには機械がないので このあたりの手当てを考えていかなければなりません。

昔の人は 一体どうやってどんぐり庵の通し柱をたてたのでしょう。
寺院・仏閣ならその時代の権力者がそれなりのことで建立したと思いますが、庶民の養蚕農家の曲り家を建ててしまった先人達に 本当に頭が下がります。 

VIP

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幼友達が 武蔵野からひょっこり訪ねてくれました。

大多喜・一宮線を 大多喜側から走って カーブを曲がり
「ここに違いない」 
「あの夫婦ならこんな事やってるに違いない」 
「一目でわかったよ〜」

またまた 「このデカイ建物 建二お前どうすんだよ。」
という会話。
「住むだけ。。。。ハハハ」
という具合です。

私は サスを流用した一本の梁に施されていた塗装が どうしても納得がいかず、その黒い塗装を紙やすりで 剥がしとる作業をしたので 顔はすすけ エプロンも作業着もすすだらけ。

一時間ほど前に電話で連絡をいれてもらったものの 「勘弁してもらおう」と粉塵だらけのまま お茶会。

山歩きをするご夫妻は 早速裏山に上がり、下りてくると 「お花でいっぱいの山にしてね。」 というリクエスト。

さて どこまでお答えできるか これまた 乞うご期待。

vivakenは 先日 都内の庭園鑑賞の際 受付に「ご自由にお持ちください。」と置いてあった大小入り混じったどんぐりを一握り持ち帰り 
「これを 育てたい。」というのです。 
どんな木になるやらさっぱり分からないのですが、とりあえず ポットに培養土を入れ 同種類と思われるものを入れてあります。

さて 春に芽が出るのでしょうか。
 

詰めが甘い

私は 思いつきやひらめきでは結構光るものを見せる事がありますが、人生 大成しなかった大きな理由の一つに、「詰めが甘い」というのがあります。

大事になればなるほど エネルギーを使い果たし 最後の最後息切れが来る こんな感じです。

人生も長い事やっていると そのあたりの自分のクセも飲み込んできて、いかに最後まで完遂するかを念頭に置きながら対応していく事になります。
どんぐり庵は 尻が決まっていないという呑気さがあって、こうなった一つの理由は 初めての家づくりがなんともデカイ民家の材を再利用するというところから始まったゆえです。

私たちが いつまでやって!などといえるはずもなかったからです。

しかし 昨今の完成度から あと一息と想定しています。
気になるところを チェックしたいと思っています。
詰めが甘い といわれる私を 返上できればと思います。

黒豆の枝豆

裏山の平坦で日あたりのよいところに 黒豆の種を撒いたのは7月の第2週の頃でした。

そこは ソラマメの苗を植え付け収穫した場所でもあるのですが、畑としての準備が整わないまま 乱暴に植えつけたもので ソラマメも満足いく出来上がるではありませんでした。

黒豆は いくつか10センチほど成長したものの 殆どは芽を出さなかったのやら 裏山の住人がつまんで食べたか 野鳥がご馳走様と喜んだか なにがなんだか分かりませんが、収穫はゼロという状況です。

そういう点では非常にあきらめの早い私は、とっくに 放置していました。
黒豆のことを 忘れていたというのが本当のところです。

日曜日に近所の人が 「たくさん採れたから食べて頂戴」と持って来てくれました。
それも 食べるばっかりに塩茹でをしたものをいただいたのです。
ご馳走様の連呼です。

畑から取れたての物は 当然土がついています。
どんぐり庵で その土を落とし洗う これはなんということもないことです。
ところが 泥付きを自宅に持ち込むと なんとも厄介な思いをします。
流しは小さい・作業台は狭い・・・そんなこんなでとても億劫なものです。

同じ様な事が 掃除機のダストバックにもいえます。
都会の生活では ペーパーフィルターで集塵し そのまま捨てるという方法をとらないと、布製の集塵バッグを使おうものなら そのバッグのチリを払う環境がありません。

どんぐり庵では 集塵バッグを表に持ち出し 溜まったゴミを捨てた後は 外でバッグを振るったりたたいたりして済ませる事が出来ます。
とっても お気楽な処理方法です。

黒豆の枝豆をいただける季節ともなると、そろそろ ソラマメやキヌサヤの種まきの事を考えなければなりません。

我意を得たり

ちらり 小耳にはさんだ
「この家は フツーのもんじゃぁ 納得しないからさ。」

休憩の時間にこの話を持ち出すと、大体の職人さんには 大うけ します。
まさしく その通り。といったものです。

あれはこう これはこう 挙句の果てが ケヤキの総磨き。
これですから。。

みんな 「うまいことを言ったヤツが居るもんだ。」と 
さりげなく 「誰が発した??」と聞いてきたりします。
そこはそれ 発信元は擁護します。

瞬間大うけしますが それでは施主が気の毒と思ってくれるのか
「いや〜 だれだれがここの浴室は本当によく考えて工夫してある。」と言っていたなどとフォローしてくれたりします。
フツーのものでは納まらないといわれたvivakenも

「あたぼ〜よ。オイラの一世一代の作品よ」と 胸を張っています。

期限

どんぐり庵の引渡し準備は着々と進んでいて、私たちのケヤキ磨きは大掃除を予定している11月1日 これが事実上の期限です。

茂原の友達が、「ウチの庭 ”イングリッシュガーデン”が 【広報茂原】の表紙を飾ったよ」と朗報をもって 訪ねてくれました。

粉だらけの私たちを見て「木を磨くというのは どこが限界か いつまでやっても終わらないというか。。」ですよね と 
ま〜 頑張ってくださいな。と 声をかけてもらいました。

所詮 素人工芸ですからこんなものでいいのだ で済ませてしまえばそれが限界。
まだまだ と思えば まだまだ進行中。

もっている道具に限界があって、こだわりのある指鴨居だけは手作業で仕上げをしたいと思っていますが、もうやめてくれ といわれそうです。

父から娘へ

倉さん夫婦が 埼玉県からフラリ立ち寄ってくれました。
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「犬の散歩があるから 今朝3時に起きたわ。」
一刻も早くどんぐり庵の現場に入ろうという私たちも、「今朝4時に起きた」というものの、作業に追われている私たちに早起きは当然のこととして、行楽シーズンの渋滞を嫌い 超早起きの出発で、どんな様子か見に来てくれて 感謝・感謝。

ケヤキ磨きに精を出している私たちを見て
「なに〜 自分達でやってるの???? もうそろそろ庭づくりかと思って、もってきてみたのよ。」
「和風のものをと思ってね。」
と 1箱 車から降ろしてくれました。

瞬間 25年前 今の住いを購入したときの 舅、姑を思い出しました。
倉さんは、vivakenの妹夫婦です。

あの日 vivakenの両親が庭にある植物を掘り上げて手に持ち 肩を並べてもってきてくれた事がよみがえりました。
戦争という辛い体験を生き抜いた二人の 並んだ後姿を思い、かなわぬ事ですが 訪ねていけば笑顔で迎えてくれるような気持ちさえしました。

帰りがけに
「こう広くちゃ 何を持ってきても追いつかないわね。」
「そのうち 増えるわね」

みんなで頷きながら 別れました。

定年後 ゼロからの出発

8日の祭日は 9時を過ぎる頃から本降りの雨になりました。
そんな中 作業の手を休め一息ついていると どこか記憶にある車が入ってきました。


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「おうおう shouさんじゃないの。」房総半島の南に住むご夫妻が立ち寄ってくれました。
2年前の秋 私たちがこの家をどうやれば作り上げる事が出来るか 皆目見当がつかない頃、あれやこれやの愚痴を聞いてくれたご夫妻です。

開口 一番
「でかいね〜 なにやるの?蕎麦や か ペンションか」

私たちは 「なんにもやらない」と答え 
「なんかすごいことやったね」 という言葉に 「定年後 ゼロからの出発」とか つぶやく私です。

しかしいずれにしても 何人かの友達は面白がって見守ってくれるし、親戚もハラハラしながらも 「あの二人のことだから なんとか 決着つけるでしょ」と見ていてくれます。
ともかく ケヤキを磨いて、古建具を洗って、というのが 直近の仕事です。

イサム・ノグチ

照明は イサム・ノグチ Akariシリーズです。
トイレも100Wを主張する私には 若干心配もあるのですが とりあえず 雰囲気と機能を確認して 不足分は別途補っていく予定です。


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土間の見上げに 長さの違うものがフラ〜ッと下がっています。
天井扇をまわすと また違う感じになるかなと思いますが、今のところ 2階のベランダの風をもろに受けます。
コワレルゾ。。


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土間を上がったところの 掘りごたつもどきスペース。
暮らしてみないと なんともいえない部分。


照明の不足分は 古材の端材で手作りの物を依頼しています。
自分でも一個ぐらいは作ろうと思い 構想を練りましたが、何しろデカイ家に住んだことがないので、チマチマしてしまって、結局無駄な時間を過ごしています。

鴨居を一削り

漆喰の壁が出来上がってからケヤキ磨きをはじめたので、漆喰との接点や柱と鴨居が組まれている部分にはグラインダーを使えません。
強行してあちこち傷をつけたり あきらめて放置したり ともかく全体像を作り上げて 細かい作業は 徐々にやろうと考えています。

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古材としての姿を残そう。はじめのコンセプトはこうだったので ざ〜と一磨きしてもらった状態の鴨居です。

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事情が変わって ケヤキの群の仕上げは 私たちの手でやることにしたので、もう一度#60で磨いた状態。
まだまだ 塗料が残っていて ケヤキそのものの美しさがでていません。
これを だんだん細かいディスクを使って磨いていきます。

二人でグラインダーを使っているので、火山灰のごとく 黄砂のごとく粉塵が降り積もります。
それを掃除するのに 1時間半から2時間。

焦らないで でも迅速に。。。
二人で励ましあいながら作業をしています。

秋の陽はつるべ落とし

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どんぐり庵が大きい・デカイといわれながらも 実感としては「そうかしら??」とタカをくくっていた私でした。

雨が降った8日の祭日は 夕方5時になるとすでに薄暗く 帰り支度を急ぐ私たちの背中をバンバンたたきます。
明かりが必要で 工事用の照明を付けての帰り支度でした。

この部屋の机のところだけを 裸電球の光が照らし 天井は真っ黒な梁が通り 全体が薄暗くなってくると、なんとも シーンとした不慣れな静けさにつつまれます。
おもわず 「この家に一人で暮らすのは なんとも寂しいものだ。」と思いました。
大袈裟に言えば 寂寥感みたいなものが漂うのです。

オイオイ 大丈夫か〜
ときめきとは違う ドキドキしたものを感じます。 

雨樋

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またまた 雨樋の話題が 復活です。
9月30日の比較的強い雨の中、玄関の屋根から落ちる雨が犬走りにあたり 激しくはね返る事が分かりました。

犬走りに雨だれを吸収できるものを置くことも検討しましたが、ここは一つ 雨樋にしようじゃないかという話になっています。

私たちが雨樋を取り付けない最大の理由は その掃除が思うに任せない という点にあります。
しかし 玄関の屋根に取り付ける雨樋であれば 1700Hの脚立が2台あるので 掃除ぐらいダイジョウブダ〜 と確信しているのです。

2万円弱のジグソー。
これを買いたいのですが、「今すぐ使わないのだから 後にしておけ。」とvivakenに制され、なんとか費用を捻出しようと ”雨樋は自分達で付けようよ”密かに算段しているところです。

イギリス生まれの木材専用オイル

木材のワックスとして 私たちが選んだのは 蜜蝋ワックスと キヌカ でした。

大原から時々見える方がいて、私が粉だらけにになって作業をしていると、
「ここんちはいいよな 奥さんも一緒になってヤッからよ。普通女の人は 台所と風呂とトイレのことにしか 関心がないっぺ。」
私はほめられた気分で居ながら
台所の風呂もトイレも 全て岩熊さんとvivakenにお任せ というのは 少々異常か??と思いながら そういえば 岩熊さんは「台所は 女性のお城ですから」とつぶやいていたのを思い出します。

我が家の場合 誰のお城だ。。。。

ともかく その方が「大原の祭りが終わったら 余っているワトコオイルを持ってくるよ。」と言っていた 公約どおり「使ってみなよ」と持ってきてくれました。

磨きに専念しているので お試しが出来ていないのですが、”木目を浮き立たせる”というキャッチコピーは 蜜蝋ワックスとどちらに軍配が上がるか 乞う ご期待です。

ファーストフード

お茶漬け屋さんが ところどころに開店し始めています。
ファーストフードの一つでしょうか。
私は行ったことがないので イメージとして 立ち食い蕎麦やさんを思いますが、どんなものなのでしょう。

私たちのファーストフード これは もっぱら 「おむすび」です。
労働の担い手である私は ひたすら作業に没頭し 一区切りつくと相方の様子を伺いつつ 一人でお茶を飲んだり 声をかけて チョット休んだり。
そんな作業状況です。

昼食の準備など たとえ カップラーメンだって煩わしい というのが私の性格です。
ですから 作業に入る前に周到に準備しなければなりません。
たまに セブンイレブンで調達という事もありますが、この2-3ヶ月 その殆どはメインは「おむすび」です。
お米は地元のものを、海苔は特選(これぐらいの贅沢は 許してもらう。通称 ”のりっぺの海苔”と呼んでいる。)それに ちょっとしたおかずを用意して。
というわけで 作業のある日は 朝4:00に起きて支度をするのも慣れました。


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化粧仕上げと障子の用意が未完了ですが、メインのトイレの手洗いです。
焼き物の手洗いを置きたいという希望を、一人しか居ない我が家の金融庁長官である私が却下した 小さな手洗いです。

私たちの使命

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古材に出会って2年を超え、この古材の見所は長い梁や柱と思いつつ、磨いて輝きを与える事も 私たちは 使命として受け止めなければならない。
こんなふうに 決意しています。

ウレタンをざっとはがした状態の鴨居の様子です。
これが 薄汚れた古民家の「アジ」と表現される事は多々あることですし、この状態で年月を感じさせる演出も可能です。

しかし 磨かれ美しい素顔をみせる可能性を秘めているものを 磨きさえすれば美しい素顔を見せてくれるものを ほっては置けない。
こうなったわけです。

ケヤキは 年月と共に硬さを増すのでしょうか。それとも 今の補修用に使われているケヤキは種類が違うのでしょうか。
旧来からの部分を磨くエネルギーと 新規補修を入れた部分の取り扱いは 全く違うものを感じます。

作業効率を上げるため、グラインダー磨きは私、洗いはvivakenと手分けしていましたが、ともかく 磨きを先行させようと考え グラインダーをもう一台手配しました。

ケヤキを磨く

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雨の日曜日。
朝自宅を出るときも かなり強い雨。

昨年の今ごろは 日曜日に雨となれば 草刈や 山の整備が出来るわけではなく、どんぐり庵での仕事のテーマがなかったので、自宅にいて あれこれ 身の回りのことを済ませていました。

今は 鴨居と柱の磨き加工を自分達でやることになったので、休んではいられません。
朝からの雨は 道路がすいているので、一時間程度余分に作業をすることが可能です。
私たちは「雨だよ雨だよ。みんなお家に居るんだよ。」と念じながら 早朝飛び出していくことになります。

民家再生を冠につけた古材を使った新築は、材をどこまでどのように扱うかは、試行錯誤でした。
今 私たちなりの結論を出しました。

「ケヤキは磨いて その美しさを引き出してやらなければならない。」

写真左側は 60番→120番→240番で仕上げた上 ナイロンスポンジで洗いを掛け、蜜蝋ワックスで仕上げたものです。
右側は 240番をかけたところ。

通し柱8本と付随する鴨居。
週一回の作業では、年内に終わらないかもしれない。。。

真っ白な漆喰に研磨粉を飛び散らし ハンデェイな薬品を使っていないモップでそれを払い落としている にわか研磨職人の二人です。

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tiara
里山の暮らしはいかに・・。
vivakenのカーチャンとか オッカーとか 呼ばれる日が、来るのだろうか。

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