日常的なことというのは、当たり前になってしまいやすく、初めは大きな感動や喜びを感じたものも徐々に当たり前のこととなるのが常です。
いろいろな家を、自分たちの家作りを念頭に置いて見てきました。
”見上げ”と表現したりしますが 吹き抜けで家の構造を見せている建物には関心があります。
川崎の民家園や 江戸東京たてもの園なども見てきました。
その時はすばらしいと 感動する建物はいっぱいありました。
そんななかで、私が 天井を見上げて つい 微笑を浮かべてしまうお家があります。
「微笑みを浮かべてしまう。」この大きな理由は、設計士さんを知っていることであったり、友達が苦労していた姿を見ていたからかもしれません。
このお家をリフォームすることになって、この家に住む友人は ある日私たちを、設計士さんに引き合わせてくれました。
いわば ホンのチョットの出合いなのですが、印象的な方でした。
そして 家が出来上がり 天井を見上げ 友人や設計士さんに、「さすが うまくやりましたね・・」と 思わずニコッとしてしまいました。
私は この家に上がりこんでは 天井を見上げ 設計士さんを思い出し つい 微笑んでしまいます。
タブン友達にとってこの天井は 当たり前のことになっているはずです。
意識はしないけれど、心地よい空間を享受している。
日常とはこんなものでしょう。
折に触れて その素晴らしさを認識するとき 作り手やかかわった人たちの 汗や苦労を自分のこととして捉える事が出来ると、意匠だけの美しさではない奥深い喜びを、自分自身で見出す事が出来るものだと思うようになりました。
兎も角 石川工務所はどのような判断をするか これを確認しなければ、前に進めない状況となりました。
いろいろ 本当にいろんな場合を想定しました。
この交渉事を 第三者に依頼したい思いに駆られたりしました。
しかし 私たちは あの古材を使って建てる家に住むものの使命として、石川工務所に 自分達できちんと事情を説明し理解してもらう これしかないのだ こう思いました。
一つ一つ自分達の手で解決していかなければ、長いとも短いとも取れるこの家での暮らしに悔いが残る。そんな選択はしてはいけない。 と決意しました。
石川工務所へ ファックスで連絡を入れました。
移築再生を引き受けてくれるというところと 話を進めている。
ついては、建て方まで施工してもらうという件は実現できなくなった。古材を引き取りたい。
そんな内容なのですが、文書はなかなか完成しませんでした。
ファックスを送信し 時間を見計らって 石川社長に電話を入れました。
これも 恐る恐る コーヒーを飲んで気を落ち着かせて 電話をしました。
石川社長 「はい (ファックスを)読みました。承知しました。」
「ついては 今度の工務店さんも古材の確認をしたいはずです。一度 事前に見たいというでしょう。」
なんと!! 私が電話口で改めてお願いしようと思っていた事を、読み取っていただき、リードしてもらいました。
なんか よくわからないうちに、あんなに心配した古材引取りについては、ポンと快諾の回答を得、丁寧にお願いしなければと緊張していた 今回の工務店同行での下見・打ち合わせについての話は終わりました。
この民家が移築再生され 私たちは人生の後半をここで暮らすわけですが、折あるごとに、柱や梁を見上げるごとに、石川社長との清々しい会話をほうふつするに違いありません。
vivakenの家作りに道筋が立ちました。
当初計画した 建て方(屋根の野地下)までを 石川工務所という案は実現できませんでした。
建て方を中心に前後半を別の工務店がやるという方法では、私たちの予算が追いつかなかったわけです。無垢の木と漆喰でつくる家を如何に私たちの手が届くものにするかと考えたとき、設計・管理・施工を一括で請けてくれるところとの出会いがなければ かなわないものでした。
なんとか 道筋が立ちました。
事がこのように急に動き出したのは、今回の工務店が 睦沢の着工を最悪今年の9〜10月という条件での見積もりを出してきたからでした。
物価・金利の上昇傾向から ”来年後半を照準に置いた見積もりは出来ない。”これはよく理解できました。
私たちは石川社長、網野さんの 昨年末から本年年初の回答から、建物の総見直し、予算の総見直しを考えらざるを得ない状況に置かれていました。
それがために、石川さんとの当初の約束今年の9〜10月着工を1年延ばしたいと思い、石川社長にその事を打診し、よい回答を貰っていた状況でした。
そんななか 親身になって話を聞いてくれる友達はずばり言いました。
「睦沢に家を建てる事が主たる目的ではないでしょう。計画と予算の配分で苦労は多い事はよく分かるけれど、睦沢に暮らすことが目的なのだから、半年早かろうが一年早かろうが、いやなるべく早く着手すべきだよ。」
こうして 予算の面から早く着工しなければならなくなった事と、友達のアドバイスが背中を押してくれたという格好で、事態は急速に展開し始めました。
その中で、私たちが最も懸念した事は、石川工務所で預かってもらっている古材の引き上げに、了解が付くかどうかでした。
口約束とはいえ この家を建てるに当たっては、提示した予算内で完成できるという条件満たしてもらえるなら 建て方までは石川さんにお願いすることになっていたからです。
・・つづく・・・・
続・山ハダが剥がれる。です。
この地すべり どうしましょう??
業者さんに相談したところ、「45°の角度に切り土(オープンカット)すれば大丈夫ですよ。」と 答えを貰いました。
あそこを 45°に切り土すると 裏山のどのあたりまで干渉するのか、想像が付きません。
なんとか 感じのよい空間にしたいと思い考えるのですが、タブン優先順位は大分後ろに違いありません。
4月11日 房総半島の南部は大雨に見舞われました。
小湊鉄道は 鉄橋の足げたに崩落があり 一部不通のままです。
・・・引用・・・・・・・・・・・
毎度小湊鉄道をご利用いただきまして有り難うございます。
4月12日の集中豪雨の為、養老渓谷駅ー上総中野駅間の川俣川橋梁の障害が発生し、復旧工事に約2ヶ月を要しますので当該区間は運休をいたします。
この間、バス・タクシーによる代行運転をいたしますのでご案内申し上げます。
なお詳細につきましては下記へお問い合せ下さい。
平成18年4月14日
小湊鐵道株式会社 運輸課:0436-21-6771、五井駅:0436-21-6773
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その雨で 我が家もご覧のように山ハダがずり落ちました
この土地は もともと なだらかな山の裾を切り取って 宅地とした事がうかがえます。
その切り取った面は 草花が押さえているだけで、人工的な処理はされていません。
それで 40年過ごしてきたわけですが、山はそろそろ元の形に帰ろうとしているのでしょうか。
私たちが 昔のここの景色を取り戻そうという努力が 何かに通じて こうなったのでしょうか?
それは 冗談ですが。
幅5m ずり落ちた部分が1mぐらいです。
1mずり落ちたというのは、落ちたところが排水路になっていて、それを埋め尽くし結果的に止まりました。
この壁面から2m程のところに、昨年購入した物置がありますが、被害をうけずに済みました。
さ〜て♪ この処理をどうするか。とりあえず 放置しますが、セッカク崩れてくれたのだから、どうせ 手を入れなければならないのなら あまり安易に考えないで「楽しい改造をしたいな」と もくろんでいます。
建築と象徴性は 切っても切れない関係にあることはよく理解できます。
しかし 私たちにとって住いの象徴性は結果であって それを求めてはいません。
これは とあるところで、象徴性を大切にした建築がコンセプトだと目にしたからです。
民家はその地域を表す象徴性というものがありますが、個々について言えば、ある規制のものに成り立ってきたと思います。
私ははそろそろ vivakenの民家移築という看板を下ろそうかなと思っています。
民家移築という表現も 「象徴性」を求めるが故と捉えられる表現だと思い始めたからです。
フツーの民家というか 単に古材を使った 心地よい新築をする。
それは 昔の民家のような作りに成る可能性があるのであって、そこに「象徴性」は求めていません。
フツーの庶民としての発言です。
06/04/10 本日より 民家移築家づくり というタイトルを
「ドキドキ家づくり」に変更しました。