小動物侵入禁止

なにやら大袈裟なタイトルになってしまいました。

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基礎と土台の間にパッキンが入ります。そのパッキンの隙間から 小動物が入り込まないように、スクリーンが張られました。
たぶん ヘビは入れないと思いますが、私が恐れている ジャングルに生息していてもおかしくないと思われるような、ム・カ・デ!!
こやつ をシャッタアウト出来るでしょうか。

どこになにが居るか 分かりません。

棟梁は 先週通勤の途中で ハクビシンに出会ったといいます。(いいな〜。出会ってみたい。)
イノシシは悪さをして 捕獲されているようです。(なんとか 共存の道はないものかね。)

みつばちマーヤ クマのぷーさん いずれも物語の中の話なのに、スズメバチに刺されて命を落とすとか、熊に襲われて命を落とすとか、現実感が薄いのです。

こういう私みたいなモンが、いのししに食われるのかもしれない。


里の秋

地元では山と呼び、家に帰って改めて思い起こすと 決して山とはいえず かといって 丘というには 斜面が急すぎて・・・似合わず。
少し遠くに見える 山です。

黄色見がかかった紅葉が見えます。
錦織りなす♪とはとてもいきませんが、早 12月の声を聞きます。


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東の隣人ご夫妻が、「や〜」と訪ねてきて、梁を眺め「あの 真夏の暑い日 この梁を上げるのが家から見えてね。本当に暑い日で 大変だったのよ。」
と 8月のある日のことを 昨日の事のように語りました。

里は こんな秋を迎えています。
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その 棟上までの構造を組むに当って、暑さをものともせず 暴れだした柱や梁に 時にはやさしく、時には厳しく矯正をかけてくれた広瀬さんも サッシの枠つくり 障子のはめ込み枠つくりと、静かな仕事が進んでいます。

小屋組みの美しさ

私が 小屋組みの美しさに気付いたのは、解体前の現地採寸に携わってもらった、網野さんとの会話や 作品からの影響が大きいと思っています。

去年の今頃は この民家を移築再生するに当たり 石川さんとも網野さんとも予算を目の前にした論議は平行線をたどりました。
今 振り返れば私たちの選択には 私たちの残りの人生をかけていましたし(もちろん 今もそれに変わりはありませんが)、あの時お二人が提案した事は、お二人の立場から これしかないという判断に基づいた結論だったに違いありません。

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昔の養蚕部屋は 生活空間ではなかったからか 梁の高さが160センチぐらいのところがあります。私はチビですから 心配なく通り抜けますが 男性はまずもって首をすくめるか 腰を折らなければなりません。
梁の直径が 1尺以上としても 2メートルかそれぐらいのところに簡単に登る事が出来、この小屋組みの美しさ この視点からの鑑賞は 可能な事です。

うまいこと ロフトを作って眺め暮らすことができれば最高ですが、気が向いたときに 梁によじ登って ボンヤリするなどというのも ナカナカいいものだろうと思っています。

コラボレーション

26日日曜日は 天気予報は 午後から雨 でしたが、お昼に天気雨が降ったものの、たいした事にはならずに済みました。

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午後から 折井棟梁と 乳井大将が ちょこっと仕事をしに来ました。
越屋根の漆喰仕上げの準備が急がれているからです。
23日の祭日 「左官屋です」と現場の確認があり、「まだ 板金屋さんが終わっていないか・・・」
といいつつ 帰っているので、その段取りのようです。

大将はコンパネで 左官屋さんの足場をつくり 棟梁は腰板と漆喰の境を決定しました。

越屋根=屋根の一部→雨じまい となるので 腰板のあいじゃくりを深くする再加工に入りました。

乳井大将は やはり”守門”さんが手がけた 新潟の民家移築の時の写真を持ってきてくれました。
施主さんが 記録を取っていてその時の様子をアルバムにしたものでした。

一度伺った事のあるここのおうちは 大変立派な曲家で移築前の屋根を再現したと聞きましたが、、五月人形の兜を感じさせるような屋根つくりです。

棟梁が下地をつくり それを 板金で仕上げてあります。
屋根の勾配はきついし あれは 「たいへんだった!!」と 二人で懐かしそうに思い出話をしていました。

越屋根の中を見学

越屋根には 電動のルーパー式窓を付けました。
越屋根の窓は 南北各3枚 計6枚です。
計画段階では 6枚とも可動ルーパーにすることを検討しましたが、予算がまわらず、真ん中を可動式とし 両サイドは採光のためのペアガラスのはめ込み式窓としました。
ここのガラス拭きが 今後の課題です。現状では私たちが窓掃除をすることはまず不可能です。
ここの汚れが どれくらい気になるものか 暮らしてみないと分かりません。


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越屋根の様子です。
このあと 杉で腰板を貼り、上部は漆喰仕上げとなります。

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可動ルーパーを付けるためにかけた梯子がそのままになっていました。
私は 「お!!ラッキー」と 梯子を上り 内部を観察してきました。

下の山型のところが 屋根の棟です。
越屋根を もっと 大きくして隠れ忍者の部屋にすればいいのに・・などなど いろいろご意見もありましょうが、部屋を増やせばそれなりに用意しなければならないものが出てくるので、やめました。

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セッカク高いところに上がったので、目線を変えて 普通なら屋根裏になる部分をウォッチングしました。
9寸のケヤキの柱は、沢村さんの手により磨き上げられていました。061105_131057-01.jpg





サッシの窓枠もそろそろはじまりました

容積がやたら大きく、独立した部屋機能(天井がある部屋)を持つのは、1階の洗面所・浴室・化粧室、キッチン、予備室という構成のため、暖かく暮らす工夫の一つとして 断熱にはいろいろ配慮をしました。

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そのひとつが、ペアガラスのサッシです。それにプラス 各々のサッシに障子が入ります。


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二つ 三つと窓が入り始めました。

このごろ良く見かける、窓が開放できない家。あれだけは避けたかったので、東西南北 ふんだんに 窓があります。

棟梁は 「この家は壁が少なくって」と少々心配顔です。当の私たちも、壁が少ないために家具の置き場がないぞと少々の危惧をもっています。

ま〜 何とかしましょう。

東西の屋根の妻の部分には 欄間の高さより高いところに 明り取り兼風通しのための窓があります。
当初 「窓拭きは どうするのかしら。光触媒を採用したい。」とか思ったものですが、なになに ちょっと おてんばをやれば 梁に登って窓拭きが出来そうです。
「私に任せなさい!!」って感じです。


話は変わって、石川工務所さんのサイトをのぞきました。(用もないのに・・)
「えらい仕事ですよ〜」というコメント付きで 設計者を募集していました。
石川社長としんどい仕事をやっていく。
これも どなたかの いい日旅立ちとなることでしょう。お気持ちのある方には、ビックなチャンスと思います。 

焚き火で燻(いぶ)す

19日 日曜日の天気予報は 午後もしくはお昼ごろから雨というものでした。
朝起きると とりあえず雨は降っていません。
睦沢の工事の進行状況を確認に行こうと出発しました。

現地に着いた頃に ポツポツ降り始め 午後には 雨とともに 息が白くなるほど冷え込みました。
そんな中 隣人が顔を出し 
「この2〜3日 誰も来ない・・」 
「大工さんが来ない」 と 心配そうに声をかけてくれました。

私は 「電気の配線工事や塗装があったので・・」とかなんとか いいました。

隣人は このまま なんかの理由で放置されてしまうのかと心配したようでした。
この日私たちが現場に行かなかったら ますます心配を増幅させた事でしょう。とりあえず 雨と分かっていて 出かけてきた意味がありました。

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作業場の側で焚き火をしました。
板材の端切れを燃やしました。しょぼ降る雨の中でも 勢いがついた火は消えることなく燃え、時々湿った端切れを入れると 火力がおち 煙が立ち上ります。

建物の中に居ると それが まるで囲炉裏の煙のように風にのって運ばれてきます。

去年のお正月 サクラの枝払いをしたものを燃やし 煙ばかりが立ち昇りちっとも燃えなかった事を思い出しました。
外での焚き火だったにもかかわらず、着ているものから 髪の毛から なにもかも 燻製のように臭くて、これでは囲炉裏なんか とても持ち込めるものではないと思ったものでした。

今年 石川工務所さんを訪ねた途中 甘草屋敷に立ち寄り ボランティアの方々が薪をくべる囲炉裏の側でお茶をご馳走になりました。甘草屋敷を維持することに誇りを持っていることが伺え、また 石川工務所さんが代々こうして手を入れてくれるから・・などと話を聞いた事を思い出しました。

その時に味わった煙の香りが よぎりました。

木が燻される香りは 温かみがあるものだと改めて思いなおしました。

梁の補強

軸組構法は垂直の柱と 水平に交差する梁や桁で構成されます。
我が家も もともとの軸組を生かした 伝統的構法である軸組構法で架構が作られています。

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一本の梁に 「折れるかもしれない」というヒビ割れが見つかっていました。
ブナ材ではないかといわれています。

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そこで それを補修するために、ヒビ割れの両サイドに新柱を立てました。
恐らくこの柱は 架構を再生するときがそうであったように、叩き込むように立てられたものだと思います。 
その結果 少したるんでいたが故に確認できたひび割れは 両サイドを持ち上げられ すっかり見えなくなりました。

屋根工事のクライマックス

越屋根の屋根貼り工事は、大将の機敏且つ慎重な動作に 見とれてしまいます。

DSC05018jpg屋根の上に 越屋根に上がるための梯子を載せ、しっかりと固定して、越屋根に上がります。
言葉で表現すれば これだけの事ですが、見上げる私たちは、なぜか 歯を食いしばっています。

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こうして 屋根材は次々に張られていきます。
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屋根材は JFEガルバリウム鋼板です。
さて その下地ですが セーレン株式会社の「ルーフラミテクト」という製品です。
これは 防水性に優れ かつ 透湿性にすぐれているルーフィング材です。

ルーフラミテクト

小屋裏が存在しない(天井のない)家ですが 屋根の透湿性については 気になっていました。越屋根から 外気との交換が出来るよう工夫してありますが、野地板全体を考えたとき、さてどうしたものか・・

話は横道にそれますが、登山用ウエアーにおいて 「ゴアテックス」が登場し多くの人がその快適さを評価し 命拾いをした人や、凍傷からまぬがれた人が居るとききます。
ダクロン オーロン という素材も透湿性という点で同じ機能を持ち、高機能スポーツウエアーとして多く採用されています。汗をかいても すばやく水分を放出し ウエアーそのものは保水しないので、木綿のシャツで味わう 運動を中止したときのシャツの冷たさとは大きな違いがあります。

話を戻して、透湿性のルーフィングを使っても ガルバリウム鋼板では、結局のところ湿気の逃げ口がないじゃないの。
こうなりそうですが、それはまた工夫があって、屋根の棟の部分は 湿気を逃がし 雨漏りがしない 多重構造となります。

古民家移築再生ですが、素材については 新素材新しい工夫を取り入れています。

瓦屋根にすることは出来ませんでしたが、ルーフィングについては、胸を張っています。

1階の天井 と 2階の床

まず 1階の天井となるべく あいじゃくり加工の化粧板が張られます。

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棟梁の足加減で 板の押し付け具合が決まります。
「ただ 押せばいいというモンじゃないよ〜。」
と いわれたわけではありませんが、多分 そういったコツがあるところでしょう。


こうして 1階の天井が出来ていきます。
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次は2階の床というわけですが、昨日の電気屋さんの写真を見るとお分かりの通り、天井板に根太を渡して、配線工事が入ります。
それが終わってから 根太の上に合板を張って 2階の本実加工の床板を張ります。

さて 「あいじゃくり」 ってどういうことよ

ハイ All Aboutより 引用

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
决り(しゃくり)とは、2つの部材を接合するために加工すること。または加工した部分のこと。

决る(しゃくる)とは、中がくぼむように削ること。决ってできる面のことをを决り面という。

部材と部材を接合する場合、接合のしやすさや、接合を確実にして接合部の強度を保つために溝や突起をつくったり、えぐったりする。そういった加工をすることも、加工した部分の溝や突起、えぐられた面のこともさす。

例えば、木材と木材が組み合わされる部分、木材と塗壁等が接する部分などにつくられる。板を張り合わせるとき板の厚さをそれぞれ半分ずつ欠き取る相决り(あいじゃくり)、板と枠とを接合するための板决り(いたじゃくり)、枠に設けたものを戸当たり决り(とあたりじゃくり)、塗り壁と枠の接合のための塗り决り(ぬりじゃくり)など、决るものや方法によって、いろいろな呼び名がある。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


じゃあ 本実加工って  引用
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
実(さね)とは、板の側面側、傍(そば)、脇に付けた突起を云います。
普通は雄実(凸型)と雌実(凹型)で、仕口になります。
縁甲板や各種フローリングの継ぎ目の一方が凹で、相手側が凸に加工されていることを云います。
本実矧(ほんさねはぎ)、単に本実(ほんざね)とも云います。

資料建築積算用語事典・財団法人経済調査会 
森林林業・木材辞典・日本林業調査会より

四面本実加工とは、つまり、板材の長手方向(縦方向)及び板の側面(横方向)にも凹凸の実加工が施され、板と板がしっかりと組み合い、継ぎ手が反り、ねじれの防止に役立ち、継ぎ目を綺麗に、美しく魅せます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ガイシ 碍子 がいし

電気配線工事に戻ります。

梁や桁の現しですから 天井裏を配線が通るというわけにいきません。

DSC04976-02.jpgここは 2階の床下であり1階天井裏であります。
このあたりは 配線が空間の中を通る事が可能です。


さて 現しとなると配線は当然表に出てきます。
そして それは 碍子(ガイシ)で分岐されたり、支持されたりします。

電気工事の打ち合わせで いの一番岩熊さんからの提案は 「ガイシで配線を処理しましょう」ということでした。
vivakenは 「ガイシ!!ガイシ!いいですね。」と目を輝かせています。

しかし私は 「ガイシね〜。」と少々トーンを落とし あまり目立たないように、ちょこっと光るように使って欲しい。」と申し入れました。

古民家を再生したり 移築したりした建物で 時々ガイシを使っているのを見ますが、私は いつも 「強調しすぎているな」と感じるからです。
施主が「いいじゃん!!」と思う気持ちは痛いほどよく分かります。でも ちょっとそれ そこを抑え目に・・。
そう 思っています。

ところで 今時ガイシなんてあるのかい
そう思って調べてみると、あるんですね。ちゃーんと ありました。
私は 香蘭社といえば 有田焼きの華麗な窯元と思っていましたが、今も碍子を作っていました。

香蘭社

屋根工事始まる

11月12日(日)睦沢に到着すると 板金屋さんの車がありました。

下見かしらと見ると 工事がはじまっていました。材料の入手に1ヶ月かかると聞いていたのですが、板金やさんが他の代理店を当たった結果、在庫を持っているところを見つけたそうでした。

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千葉県君津市 挙井(にゅうい)板金   大将の乳井さん
青森県弘前の出身で 「もう こっち(千葉)のほうが長くなった。訛りも消えた」といいますが 訛りが消えたかどうかは、さてさて・・。消さないほうが いいじゃないですか。

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貼り始めると 作業は軽快に進みます。
「急がされると 雑な仕事になるから ペースは守りたい。なるべくね。」

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道具箱ともいえる「腰袋」。左側にも もう一つあります。

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北西からの様子。
大分 張り進みました。

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越屋根に上って、屋根を貼ります。
両端は 切込みを入れて手作業で折り込んでいきます。

「6寸勾配が 作業をする上でも 見た目も一番いいとされています。」
そういいながら 慎重に作業は進んでいます。







電気、宅内配線着手

屋根の野地板が張られると、宅内の工事が 次々決定施工されます。
屋根がのるまでの2ヶ月は、施主が提案するような事もありませんから、毎週ながめては、こうなんだ あ〜なんだ と 楽しんできました。

このあたりに来ると、それまで 考えていた事とか、勉強してきた事を 実現する方向に進みます。
それをらを理解し、実現する 夢をかなえていく道筋を、設計監理 岩熊さんが切り開いてくれます。

電気宅内配線は 図面上での計画は確認済みです。
いよいよ壁の中を配線が施されます。
11月4日の土曜日に 千葉県山武市の「西之宮電器」の社長が下見に見え、11日配線工事に着手しました。
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全体の構成、及び 詳細の打ち合わせ。


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コンセント位置の確認。
常時家電につながるコンセントは低い位置に、主に掃除機のように抜き差しを必要とするコンセントは高い位置にという希望を考慮してもらっています。



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今度は上を見上げて、梁・桁から下がる照明の位置決め。

10年来一緒に工事をやってきたという チームプレーはスムースに事が運びます。

本日は ブルーチェックの岩熊さんでした。

企業秘密か?棟梁の工夫

曲がった梁と柱を相手に 仕切りを作る棟梁です。
「できるかぎり 古材の一部始終を現しておきたい」とお願いしているので、パーテンションをするにも、
「古材 現してくださいね。」
それが 口癖です。


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DSC04968-02.jpgむむ 切込みを入れてあるぞ。


お昼ごはんを囲みながら、ここを通りがかる人や 睦沢近隣の人たちは この現場を見て
「なんとも 粋狂なことをやっとるわい。」と思う人と 
「どれどれ どんなものが出来るの」と大変関心を持つ人と 両極端だろうねと 棟梁たちと話していました。

仲間の大工さんの一人は、下を向いて苦笑いをしています。
それを見つけて すかさず 「粋狂だと思っているでしょう。」こう詰め寄ると
「それをやってる 俺もおんなじだ(酔狂モンだ)」と答えがありました。

なんとなく 世離れした人たちの集まりになったようでした。

さて 粋狂に輪をかけます。
この民家を紹介 仲介してくれた 石川工務所(伝匠舎)さんの民家情報に「北城の蔵」というのがありました。
新潟の柏崎市にあったもので、総2階で16坪です。

北城の蔵

民家情報の表紙のページでは 成約済みとなっていませんが、このページに入っていくと、一行目に成約しましたと、書いてあります。
この一行目が目に入らず、まだ 引き取り手を捜しているものだと思い見ていました。

いやはや これも素晴らしい。
このような情報ではめずらしく 金額も明示されていました。
思わず計算しました。移築するといくらかかるだろうか。
こんどは ただの蔵でいいから 建てるだけでいいから・・・・
と 今の移築再生でアップアップしている私が 身の程知らずにとりあえずいくらかかるだろう
な〜んて考えてしまいました。

ふと ご成約ありがとうございました の行に目が行きました。

よかった〜。成約済みだ。
心底 ホッとした わたしでした。

北城の蔵を 三度四度と訪れていて、先ほど改めて気がつきました。
なんと 成約済みの一行が消えているではありませんか。(ショック〜!!)

何かの事情があったのか、そもそも掲載の内容に間違いがあったのか????

ともかく 現地へ行って 見るだけでも見てこようなんて、思ってはいけないと自分に言い聞かせます。
またまた 粋狂のドツボにはまらないようにしなくっちゃ。(決意!)

板材運び

床を張る準備です。
反対側では、根太の加工が進められています。

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写真で見ると 重量感が伝わらないので、ほいさっさと上に上げているように見えますが、ないなにこれは結構な重労働です。
棟梁とvivakenのチームです。
下から持ち上げるのも軽い作業ではありませんが、上で引き上げる棟梁は その何倍も大変です。
30分ほどで 休憩です。

そういえば 屋根の板材を上げるのは岩熊さんが主戦力になって、みんなで上げてくれたと聞きました。(これは ウチの貧乏予算のせいかもしれない・・・)
越屋根はクレーンで上げてもらいましたが。

柱も梁も曲がっていて それを組み合わせて屋根を作るという大仕事の次は、曲がっている古材を相手に 根太を一本ずつ調整しながらいれていくという細仕事が進んでいます。
大工さん なんとも 多才!!

三度目の正直

ケヤキの古木さんが見えました。
日が落ちるのが早い今日この頃 そろそろ現場には明かりが必要になる頃でした。
三度目にして やっとお会いする事が出来ました。

「道の駅では いつも一休みするのですが、くたびれている事が多くて・・」
といいながら 「今日は頑張って足を延ばしました。」と笑顔で訪ねて見えました。

ケヤキの古木さんが再生している民家と 今のお住いの距離は、片道3時間。
「渋滞はないので 計算が出来ます。」
といっても 気にかかる事も多いでしょうし、これもまた ご苦労多き事と思います。

Re:オール電化にお書きいただいたように、お見えになり 楽しんでいただけたことを、大変嬉しく思いました。
そして 岩熊さんが 「民家に興味を持っている世代は、結構広範囲なんです。」といっていましたが まさしく その通りと納得しました。


お会いできて よかった。
ありがとうございました。


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ある日の棟梁

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ある日の広瀬さん

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ある日の月崎さん


さてと
「民家は その”でかさ”ゆえに手放されることがある」
私たちが この家をなんとか大きいまま再生し、暮らしを維持していきたいものだと考えていたとき、送られたメッセージです。

この”でかさ”から派生する手放される理由とは、まず光熱費でしょう。
掃除がいきとどかなくとも 障子が破れていようとも 雨漏りさえしなければ何とかなるでしょうから。

”でかさゆえ 手放さなくてもてもすむよう” あとの人生を30年とか40年とか想定して、何とかさせるべく、思いつく限りの配慮をしています。
昨日の続きになりますが オール電化で 年間光熱費が算出どおりに行けば、年金制度が頓挫しないかぎり、生きていけそうだという判断です。

ケヤキの古木さんに 「大きいままで 頑張ってよかったですね。」改めてこういっていただきました。

私たちは 改めて
「ありがとうございます。知恵を働かせて、生活していきますね。」
こう 申し上げます。

オール電化

屋根材が入荷するまで、あと3週間ほどかかります。
屋根材としての加工材は メーカーの加工工程スケジュールで 発注後最長1ヶ月となります。今回 発注したタイミングが メーカー加工終了直後だったために、発注後30日という最長組に入りました。

ほぼ 今月末になろうかと思います。

そして 屋根やさんは 本体の屋根も玄関の屋根も 霧よけ も一気に張るのかと思っていましたら、霧よけは足場にぶつかるので 本体の屋根工事その他 足場が要らなくなるまで待って、それから 製作すると聞きました。

屋根に防水材が張られているのを見た近所の方は、「瓦屋さんはいつ来るの?」と聞きました。
「瓦じゃないんです。」と答えると 「じゃぁ 何?」瓦以外は考えられないという様子です。
「本当は瓦がいいと思っていますが、予算が回りません。家を作るので精一杯です。ヘヘヘ。」とお茶を濁すわたしでした。

3日の祭日 岩熊さんと電気設備の最終打ち合わせをしました。
照明・コンセントなど1ヶ月ほど前に全体像を見ながら 決定してありました。
その確認方々 オール電化の話が再浮上しました。

現状でいくと お勝手をIHにすれば オール電化がかないます。
ライフラインについては 一本化する事にリスクを感じるのですが、ま〜大地震があれば、ガスも電気もみんなだめでしょうから、万に一つあるかないかのことを想定するより、光熱費をランニングでうまく納めることを考えることが、年金暮らしとしては先決と考えました。

茂原の月次ごとの平均温度から割り出された光熱費の試算から、旧来考えられてきた「電気は高い」という概念は 今や当てはまらないと判断し、オール電化にすることにしました。

言葉の遊びになるかもしれませんが、「オール電化」という表現は なんか しっくりいきません。じゃぁ 何がいいの っていわれても 答えはだせませんが。

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近々民家の再生に着手するという ご夫妻です。
少し遠回りして、我が家の様子を見学に見えました。

今日は 赤いチェックの岩熊さんでした。

手ざわりを語る

ケヤキの柱・鴨居が 素敵な表情をみせました。
これは 一重に
「このままではあまりに 可愛そうだから手当てしましょうよ。」
という提案者沢村さんのおかげによるものです

沢村さんは 塗装の仕上げをしておかなければいけない作業があって、秋晴れの日曜日(5日) 仕事をしてくれました。

既出のようにケヤキがやさしい表情を見せてくれたのは、すでに組み込まれた梁や柱のウレタン塗装をひと削りするという 現場に関わる誰もが 「あれは 大変だったよ。」というこの作業がなされたからでした。

それを 自ら提案し 完成してくれたのが 沢村さんです。

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彼は いろんな横顔を持っていて、聞いただけでもこんな感じです。
保険の代理店をやれる資格はもっています。(話の流れから 鑑定人資格もありそう。)
マンションの内装工事の大工もやった事があります。今の家(借家だそうですが)は 大家さんがどんな風に使ってもいいといってくれているので、自分でパーテーションしました。
(は〜 多才・・と驚きの私)

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塗装だけではなく、解体も足場とかもやります。
アッ! 私自作パソコンです。Win.vista試用版入れました。でも いまのところソフトがないので(そりゃ 当然)インターネットぐらいですね。
そして 沢村さんちのインフラの話になり 
ADSL50M の環境にありますが、実行速度を計ると、5分の1ぐらいしか 出ていなくて FOMAがつながりません。

と 彼のプロフィールは終わります。

田舎のつらいところですね。と お互い納得。



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家の前を通りがかった ご近所の畑の先生を 「上がっていってください」と 足を止めてしまいました。

タイトルに戻ります。
ケヤキの柱・梁の塗装仕上げを「化粧」と認識していた私たちは、コツンと頭をぶたれました。
沢村さんは自分が意図する事を、明確に私たちに説明しました。

以下 憶えている限り忠実に
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ケヤキの剥離作業をしてみると 思いの他いい表情をしてくれました。このままもう少し 地を出すか、どのように仕上げるかは全体を見て決めますが、手で触る部分も多いので(柱があちこちにある)触れる事も多いと思います。
触れたときの手の感触を大事に考えると、ワックスの仕上げがいいかなと思っています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

私たちは ここで二人とも コツ〜ンを頭をたたかれたのです。

直接足の裏に触れる 床板については、「30ミリの 無垢の床板でお願いします。」「素足に触れる感触は 無垢の板にかなうものはありません。」こう考えての選択でした。
でも 抜けましたね 「素手!!」

素足と素手は同じレベルで考える事でした。

素晴らしい勉強をさせてもらいました。どうもありがとうございました。

そして、長くなりました。
ここまで お読みいただきました皆さん ありがとうございました。

腰板か? 床板か?

「源平混じり板」とでも言いましょうか。
杉の板材が入っていました。

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杉は 丸太でいえば芯のところだけを使った 「赤味板」が最高級品です。その次が「源平」といわれる 真の周りの白い部分を含んだ板です。

アカとかゲンペイ とか 私たちが論じる話ではないと思ってきましたが、この様子を見ると、「お〜 なんと 高級感!!」
と 一人ニヤリストを決め込んでいます。

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玄関の破風を調整する 棟梁です。
建物本体の妻側の破風取り付けでも 同じ様に切込みを加工し 破風側もはめ込みの加工が施されました。
本体の破風取り付けは寸法も大きいし、長いし 緊張感に満ちたものでした。
玄関のそれは その時に較べれば 精神的には大分ラクですが、はめ込みですから 慎重に加工作業は進められます。

指鴨居 差鴨居(さしがもい)の洗い

ケヤキの指鴨居 差鴨居です。
一回目の移築のときに 化学系の塗料を塗布した様子で、経年変化を起こし、塗料が劣化して パリパリとはがれたりめくれたりという部分があります。

さて これをどう料理するか。
腕の見せ所。いや〜 見てください。

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←は 今年8月の末に撮影したものです。
指鴨居 差鴨居の厚さに、感激しました。塗料の劣化・はがれ ま〜しょうがないじゃん!!
このままでいいゎ。(実は 財布が軽い私たち。)



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さてさて 仕上げまでは まだ幾日かを必要としますが、
古い塗料がはがされました。この上に化粧仕上げをします。
テカテカせず、柱や梁 板材とマッチした仕上がりになる事は間違いありません。

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剥離作業スタート前に、鴨居の一部に手を入れたものを見ながら 岩熊さんから説明がありました。
「こんな感じで いきますよ。」
わずか 30センチ四方の加工でしたが それを見た瞬間
「岩熊さん・・・(ほぼ 絶句に近い私)」
「これをやったら この家は本当に素晴らしいものになりますね。」

土間に立ち 見上げると吹き抜けの小屋組みを眺める事が出来、土間を囲む指鴨居 差鴨居は穏やかな表情を見せる。
空間の美しさが楽しめそうです。

また 間違えました〜。
直しました・・ご勘弁を(ペコリ)

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tiara
里山の暮らしはいかに・・。
vivakenのカーチャンとか オッカーとか 呼ばれる日が、来るのだろうか。

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